Jar-BeatRecord/ジャービートレコード

サンフランシスコから流れてきた情報。そのビートメイカーの作る魔法のような、
おもちゃ箱のようなサウンドは場末のバーで酒で酔っ払った金髪の美女たちを躍らせてきたという。
酩酊した金髪美女はうっとりという「Tons of soundsが欲しいのよ」。
あるいはロサンゼルスのチャイナタウンで飲んだくれの中国系の男が言う
「Tang Sonが来れば大丈夫。ここにHIPHOPが溢れるのさ」。
MR・タンサン・・・その男の音が西海岸のHIPHOP FREAKをうならせてきたという。
数ある西海岸の伝説の一つ、ひどく不確かな・・・

なぜ・・・そんな男がダメレコのMC、インダラと交流を持ったのかは不明だが。なんと、インダラの初ソロ作品は全曲MR・タンサン、ここで初めてクレジット表記がMR炭酸だと判明するのだが・・・SODAがPOP!という意味合いが気に入ったらしい。サンプリング。ボコボコの古いサンプラーを経由した音がイビツでそれでいてキャッチーに鳴り始める。そこに乗っかるライム、ライム、ライム!

気付けば10年以上マイクを握ってきたインダラ。そのブルーズを滲ませた声からは路上の唾のような、枯れかけた花のような表情を見せる。そこに長年のキャリアに関係あるような、無いような面々が集まり・・・出来上がったアルバムは「スーパーロングバケーション」。超長期休暇だ!

MF DOOMの諸作品やMadlib、あるいはRZA。近いような近くないような・・MR炭酸の凄い音楽とインダラのトリッキーでフリーキーなライム。結果的にこの超長期休暇は世界でも唯一無二になった。聴き始めれば一気に君も休暇突入だ!それもまた、一つのHIPHOP伝説と言えるだろう。よい休暇を!